水着の生地
について
質問
今年からフィットネス水着を作って販売しています。お客様から、何回か使用すると水着のフィット性が落ちて生地が薄くなったと言われました。原因はなにかと、長持ちさせるこつがあればお客様に伝えたいので教えて下さい。
答え
水着生地の多くは、ナイロンやポリエステルの糸とポリウレタンの糸を交編した?地を使用しています。フィット性が落ちて生地が薄くなったのは、このポリウレタンの糸が劣化(脆化)して、その結果、糸切れを生じ伸縮性がなくなったために起きたためです。
ポリウレタンの糸は、紫外線に長時間晒されることや、高湿度下で長時間置かれるなどで劣化することが知られています。それ以外にも、塩素によっても劣化しやすく、今回の場合、プールに消毒のために入れられている次亜塩素酸中の塩素によってポリウレタン糸の劣化が促進されたことが原因と思われます。
遊泳などのプールには、殺菌のため残留塩素濃度の基準*があり、一定濃度以上を保つことが求められています(遊泳用のプールは、次亜塩素酸をオゾンや紫外線の消毒と併用することや、二酸化塩素による消毒も認められていますが、いずれも基準が存在します。)そのため競泳などスポーツ向けの水着には、耐塩素性の高いポリウレタン糸を使用されることが多いのですが、それでも劣化することは避けられません。
以下の取扱いのポイントを守ることで、少しでも水着を長持ちさせることができます。
まず、着用が終わったら水道水でよくすすいで軽く脱水して持って帰ります。家に帰ったら、直ぐに洗濯(洗濯記号に指定の洗濯方法にて)を行い、日陰で吊り干しし、完全に乾燥してから高温多湿を避けて保管することが大切です。頻度高くプールに行く方は、複数枚の水着を着まわして着用されることをお勧めします。一番してはいけないのは、プールから上がった後、直ぐに脱水のみをして、そのまま放置、乾燥させ保管することです。これによって、付着した塩素が濃縮され水着のポリウレタ糸を早く劣化させてしまいます。
*法令
不特定多数が利用する遊泳用プールH19.5.28厚生労働省健康局発信第号別添「遊泳用プールの衛生基準」遊離残留塩素濃度0.4mg/l以上1.0mg/l以下
学校用プール文部科学省S33「学校保健安全法」第6条に基づくH21「学校環境衛生基準」の改正H30.3.30文部科学省告示第60号遊離残留塩素濃度0.4mg/l以上1.0mg/l以下
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大阪試験センター
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